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『シリーズ日建商事 雑感』 その9

2014年06月12日

『シリーズ日建商事 雑感』 その9

ここで、少し時間を遡ってみたい。

創業直後、当時の山形県では珍しいアンカー施工をしながら、

一歩一歩基盤を築いていた時期の事である。

ある看板業者から頼まれ、4階建の小さなビルに看板を取り付ける作業中の出来事であった。

場所は新庄市の中心街であり、歩道の真上の為にドライブイット

(火薬で特殊な銃を使い、コンクリートにボルトを打ち込む)で施工するのであるが、

打ち込む時にはものすごい爆発音がする。

そこで手はずとして、通行人が通る時は看板屋の社長が呼子を吹いて、

梯子の上の私に「打ち方止め!」の合図をすることになった。

全部で16本しか数はなかったが、最後の1発の時に社長もこれで終了との安堵感からか、

路上をよく見ていなかったようだ。

私は何の合図もないので、最後の1発をドガーンと思い切り打ち込んだ。

瞬間、社長が「あっ!」と叫んだので下を見ると、杖をついたお婆さんが腰を抜かし路上でへばり付いていた。

社長はあわててお婆さんを車に乗せてご自宅まで連れて行った。

私は後始末をしながら何ともなければ良いがと気になっていたが、

間もなく社長が戻って来て無事がわかり、お互いに顔を見合わせて大笑いとなった。

今となっては懐かしい一場面である。

( 続 く )